カード・オン・ザ・シーリング
「カード・オン・ザ・シーリングをテーマに書こう」そう思いながら、長い月日が経ってしまいました。
ここのページを見ている人なら、知っていると思います。あのマジックです。
ウケるマジックと知りながらも、演じたことのない方も多いと思います。
私も2度程しかやったことがありません。
このマジックが何故ウケるのかをいろいろと考えて見たのですが、ハッキリとしたことは、未だに解りません。
マニア感覚で言えば、コントロールしてあれを付けて、輪ゴムをかける。後は少し回転させながら投げるだけ…。
バーマジックの定番と言ってもいいくらいのマジックです。
実際に演じている人に聞いてみました。
皆さん同じような答えでした。
「不思議さはあまり無いけど、ウケるからね」
お客さんがこのマジックを見て言った言葉は、「なんで引っ付いてるの〜?」といったものが多いです。
引っ付けるものなど、文房具屋さんに行けば、山ほどあるのに。
私なりに、考えてみました。
○たいした道具を使っていない点
日常品で出来るものや、お客さんの持っているものなど、マジックの道具で無いもので演じると、怪しさが無く、不思議さが増し、ウケる要素のひとつと言ってもいいでしょう。
カード・オン・ザ・シーリングで使っている物は、カードと輪ゴムだけです。
このマジック自体がクライマックスに演じる事が多いので、それまでにカードマジックを演じている為、カードは改める必要はありません。
輪ゴムもごく普通のものでいけるので、道具自体に怪しさはありません。
○演者の手から道具が離れているのに、現象が起きる点
これで考えれば、ライジング・カードやフローティング・ビルなどが、あげられます。
○“ワー感”が入っている点
この“ワー感”とは、私が勝手に思っている(感じている)ものです。
ワーとした感じのあるものに使っています。
天井にカードが付いているのもそうですし、テーブルにスプレッドするのもそうです。
例えばトライアンフも、最後に両手で広げて見せるより、テーブルに大きくスプレッドをした方が、反応を得る確立が高くなります。
以上の3点から考えた結果、カード・オン・ザ・シーリングは、ウケる要素がイッパイ入っているマジックであることが解ります。
今現在、私の理解している点ではありますが、まだまだ気づいていないウケる要素があるのかも知れません。
マニア感覚で言えば、「不思議なところが無い」マジックかも知れませんが、“不思議=ウケる”ではないところに、マジックの真髄があるのかも知れません。
TRICK STUDIO